ガジェットトライアル
メーカー:工画堂スタジオ
ジャンル:メカ少女戦術シミュレーション
機種:Windows98SE・Me・2000・XP
発売日:2006/06/23
価格:¥8,800(税込)
キャラクターデザイン:Ein
シナリオ:竹内なおゆき
参考:GT情報各種
評価
シナリオ:65   グラフィック:65  音楽:40  システム:60  満足度:65
あらすじ

世界大戦より数十年。
東のはての列島連合共同体ETUで次期主力兵器の開発が行われていた。

「AEW(Advanced Extirpate Weapon 次期主力多方面殲滅兵器)」開発計画──プロジェクト“ネクストE”。

中核となるのは新機軸兵器。加速生体状況コンピューター。通称“Eシリーズ”。
それは人工的につくられた人類の変種、兵器との共生体、
歴史に現れたうちで最も小さな軍隊である。

そして、それぞれ異なった調整をされたタイプ・ホワイトとタイプ・ブラック、ふたつのEシリーズ──。

制式採用を賭けての運用トライアルが始まった。
                                     (ガジェットトライアル公式サイトより引用)

システム概要
ガジェットトライアルはファミコンウォーズや大戦略に代表される生産型戦術シミュレーション。
システムに関する主な概要はガジェットトライアル攻略ページの
システム概要情報各種の項に既にまとめたものがあるため、詳しくはそちらをご参照ください。
感想
工画堂からガジェットトライアルの製作発表がされ、その内容を聞いた時、
昔から戦術SLGが大好きで以前ファミコンウォーズにハマった私は思わず小躍りした記憶があります。
パワードールやシュバルツシルトなどターンベースのSLGには定評のあった工画堂が
ファミコンウォーズタイプのSLGを作るというんだから、きっと遊ばせてくれるに違いない!
・・・そんな期待をしつつ発売日まで正座して待っていました。

このタイプのゲームには既にファミコンウォーズという偉大な先駆者が存在しており、
普通に作っては二番煎じになって、他の同系ソフトと一緒に埋もれてしまう可能性があったと言えます。
そこで工画堂はファミコンウォーズにはない特徴を打ち出そうとしたのか、
このゲームで自軍が使う戦闘ユニットはなぜかみんな萌えキャラに。
こういうことを考えるあたり、さすがは工画堂と言えるかもしれません。
とはいえ、メカ+少女はパワードールやブルーフロウなどに代表される
工画堂のお家芸ともいえるので、これはむしろ当然の流れなのかもしれませんが。
けど、ヒロインともいえるキャラを大量生産できてしまうあたり、ちと暴挙な気がしないでもないかも。

まぁ、そんな話はともかく期待していた一品なので発売日と同時に購入し
プレイしてみたんですが、プレイしてまず思ったのが・・・「画面見にくっ!?」。
・・・いや、マジで。
画面に対してマス目やユニットが小さいので、
最初どの駒がどのユニットに対応しているのか見分けがつきませんでした。
また、操作系のインタフェースの使い勝手がえらく悪い。
セーブがMAP攻略中にしかできなかったり(各話の開始終了時にセーブ不可)、
操作ミスで間違った操作をしてもやり直しがきかない場面が多いのが痛い。
後、戦闘シーンが果てしなく地味なのもどうかという気がします。
戦闘シーンはたいした動きもなく、効果音が射撃音のみで
黙々攻撃するだけなのはちょっと拍子抜けかも。

そんな感じに第一印象は割と最悪だったのですが、
3〜4面ほどクリアして慣れてくると
なんだかんだ言ってそこそこ楽しんでいる自分がいました。
画面の見にくさも慣れればなんとか対応できるし、
戦闘シーンなんかもどうせ一度見れば
後はOFFにしてそのままずっと見ないので、あまり関係ないですし。
感覚的には黙々と将棋やチェスをやっている気分ですが、
元々こういう思考系の戦術ゲームが好きな身なのでこういうのも悪くないです。
またどのマップも難易度はそんなに高くないのでサクサク進むのは気持ちいいです。
といっても、さすがに後半は物量作戦で大量の敵が押し寄せてくるのでちょっとシビアですけど。
スーツやアクティブターンシステム、戦果ポイント・経験値制度など
ファミコンウォーズにはないシステムもちょっとしたアクセントとなっていい感じだと思います。

またキャンペーンの合間に挿入されるミニストーリーは
なかなかコミカルで楽しい内容なのに好印象。
GTのシナリオライターは蒼い海のトリスティアシリーズの
シナリオを担当されている方のためか、
トリスティアと同様、軍事色の強いネタがそこかしこに散りばめられているので、
元ネタを知っていると思わずニヤリとできることも。
また話の長さも短すぎず、長すぎずでちょうどいいぐらいと言えます。
ストーリーを彩るCGの質もよく、個人的に好みなのがGood。
ただ、工画堂の伝統かCG総数が全部で31枚のみ
(デフォルメ絵や立ち絵を加工しただけのものも含む)と非常に少ないのが残念。
しかもゲーム後半になればなるほど各MAPクリア時に表示される
CGが手抜きになってきてるのも気になります。
GTはADVではなく、SLGなので文句は言えないのかもしれませんが
さすがにこの数はいくらなんでもアレなのでもうひと踏ん張りしてほしかったところ。


後、このゲームで感じた問題点を列挙。
○インタフェースの使い勝手の悪さ&地味な演出
  これは上記にて既に記述済みなので省略。
○全体的にバランスが大味
 ・爆撃機の凶悪さ
  GTには対空攻撃できるユニットが限られているため爆撃機の凶悪さが際立っている。
  そのためほとんどのマップは戦闘機と爆撃機を中心に作ればクリアできてしまう。
 ・思考ルーチンの弱さ
  AIの思考ルーチンはこちらの弱いところをついてくるなど
  ある程度の水準レベルの動作はするがまだまだ甘い。
○マップエディタの機能・使い勝手の悪さ
  画面をスクロールさせるだけで意図しないところにユニットや地形が配置されてしまう。
  またエディタ機能が地形&ユニット配置・生産可能ユニット&天候の選択しかない。
  初期資金・初期HP・ユニット初期搭載有無・ランダム制の有無あたりも指定できれば
  もっと幅が広がってよかったのになぁと思うことも。
○各マップ攻略時にユニットが増えてきた際の操作の煩雑さ
  GTが採用するアクティブターン制では全ユニットに命令を与える必要があるため、
  ユニットが増えてくると操作が面倒になってくる。
  アクティブターン自体は結構面白いシステムだと思うんですが、それならそれで
  ATが減少しない待機(スリープ)コマンドは用意して欲しかったところ。


上記問題点を踏まえつつ、こんな機能があれば・・・と思った要望点。
○ユニット間の強弱のバランスを踏まえたユニットの追加
 今作では爆撃機が敵なしなので、それに対応して
 空を直接攻撃できる対空戦車や対空対潜攻撃できる護衛艦などが欲しいところ。
 ついでに列車砲と攻撃機があればいうことありません。
 ・・・全部スーパーファミコンウォーズにあったユニットだったりするのはアレですが。
○インタフェースの改善
 慣れたとはいえ、やはり今作のUIの使いにくさは問題。
 マップの拡大縮小機能や移動確認、各話終了時点のセーブ機能は欲しい。
○AIの強さor難易度レベルの選択
 今作は初心者でも楽しめるようにいうコンセプトがあったみたいなので
 わざとAIにアホな動きをさせている可能性もなきにしもあらずですが、
 それなら最初から複数のAI・難易度を選べるようにしてくれればなぁという気も。
○ネット対戦機能・4Pモードの追加
 こういう戦術SLGはネット対戦可能になると非常に長く遊べる一品になる可能性が高い。
 またそれが複数プレイヤー参加可能になればなおさら。
 せっかくMAPエディタもついてることだし、もし次回作があるならぜひ対応してもらいたいです。


最後に簡単に総評を。
上で記述したように、色々問題ある今作だけに
工画堂作品によくある萌え部分だけにつられて購入してしまうと痛い目をみる可能性が高いです。
逆に戦術SLGが好きでユニットなんて記号に過ぎない、
将棋やチェスみたいな思考型ゲームが大好きだと思える方ならば
そこそこ楽しめるのではないでしょうか。
とりあえず今作が気になる方は公式ページで
体験版も公開されているので一度やってみるのもいいかと。

まだまだ作りこみが甘い今作ですが、しかしながら大きな可能性を秘めているように感じます。
発売週のPCソフト売り上げ本数が第2位だったことをみても
このタイプのゲームには潜在的な需要があるはず。
ぜひ工画堂には今作を叩き台にして、より発展させた後継作を作ってくれることを期待したいです。

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