ディアピアニッシモ -Dear Pianissimo-
メーカー:工画堂スタジオ
ジャンル:ミュージックアクションアドベンチャー
機種:WindowsMe・2000・XP
発売日:2006/08/11
価格:¥6,800(税込)
キャラクターデザイン:南野彼方
シナリオ:ヤスカワ正吾・霧海正悟
参考:DP情報各種
レビュー作成日:2006/08/13 21:30
評価
シナリオ:60   グラフィック:70  音楽:70  システム:50  ネタ:85  満足度:60
あらすじ

不慮の事故によりこの世とあの世との狭間に存在する学園"コンサヴァトリ"に流されたシュウ。
この不可思議な場所、コンサヴァトリには、ひとつのルールがあることを告げられる。
それは、ここには、ここにたどり着いた者を、現世へと戻す道が用意されていること。
そしてその権利は、一対一形式で開催される
音楽コンクール"レコンコルソ"で勝利をすることで得られるということ。
つまり・・・、現世へと戻れるのはふたりにひとり。

シュウの対戦相手に選ばれたのはシュウと同じ事故に巻き込まれた不運な少女・ナギ。
しかしナギはあることを理由にレコンコルソを棄権し、
自ら生を諦めることでシュウに生きる権利を譲ろうとする。
それに対してシュウの取った行動は・・・?
                                                   (一部公式ページより引用)

システム概要
ディアピアニッシモは工画堂スタジオ・くろねこさんチームにて
シリーズ化されているミュージックアドベンチャーに分類される作品。
ストーリーを読み進めていくと、時折発生するミュージックパートが発生する。
(ビートマニアやポップンミュージックに代表される音ゲーと同様のもの)
このミュージックパートをクリアできないとゲームオーバーとなるが
自動演奏モードがあるため、苦手ならば自動にすることも可能。
基本的に今作ではストーリーは一ルートのみであり分岐はしない。
その他システムに関する主な概要はDP情報各種の項に
まとめてみたので概要についてはそちらをご参照ください。
感想(全体的に暴言気味なので注意)
今から数ヶ月前、しばらく新作を発売してない状態で大丈夫なのかと心配していた
工画堂スタジオ・くろねこさんちーむが久しぶりに新作を発表。
新作発売と聞いてほっと一安心しつつ、その発表記事をみると
その内容がなんと・・・「ゲーム内蔵フィギュア」っ!?

それを見たときは思わず
「ご乱心じゃぁ、工画堂様がご乱心遊ばれたっ!」と取り乱したものです。
まぁ、工画堂が暴走してヤバいネタに走るのは
今に始まったことではないのでいまさらといえばいまさらですが。
ただ、今までの暴走は主にゲーム内部で具現化することが多かったのに対し、
今回はゲームデータをUSBメモリに格納し、そのUSBメモリの外観を萌えフュギュアにするという
モロに外観・仕様からして暴挙に出ているので、
自他とも認めるダメ人間な私でも初めてこの記事を見たときは思わずドン引き。

しかしありえないお馬鹿ネタが三度の飯より大好きな身であり、
今までそんなネタを大量に提供してくれた工画堂に惹かれてファンになったのが運の尽き。
工画堂がまた身を削って(たぶん自爆覚悟で)ネタに走って製作した
今作に特攻しなければ工画堂ファンとしての信義に反する!
ってことで自ら地雷原に特攻して発売日に購入して参りました。
・・・なんかまた越えてはいけないラインを越えてしまった気がしますが
後ろは振り返らないことにします。

で、そんなこんなで購入してしまったディアピアニッシモを
パッケージからフュギュアを取り出してさっそくインストール。
ちなみにこのフュギィアのUSBポートはあろうことかスカートの中についていたりします。
しかもUSBポートに繋げると基本的にフュギュアは自立させることが出来ないので
ウチではインストール時にはフュギュアを逆さ釣りにして
スカートの中にUSBを突っ込むといった具合で
インストール中、なんかいけないプレイをしてる気分になって思わず鬱に。
工画堂のネタ精神もここまでいくと賞賛すべきか心配すべきか判断に少々迷います。

とりあえずインストールは無事完了したのでプレイ開始。
ちなみにインストール後はフュギュアはもう不要で、
プレイのたびに繋げる必要はもうないのでほっと一安心。
なお、余談ですがこのフィギュアに内蔵されているUSBメモリは読み書き可能なので
普通にUSBメモリとしてファイルを格納することができます。
なのでUSBメモリが手元にないって方はこれをUSBメモリとして利用すればお得かもしれません。
人前で使用すれば今ならセットでもれなく社会人失格という称号も付いて来るのでさらにお得です。

ゲーム自体はミュージックパートがある以外はオーソドックスなADV。
しかしソフト媒体が128MのUSBメモリというだけあって、
ゲーム容量がわずか90M程度しかなく、全体的にボリューム不足。
ストーリーは選択肢がなく、一本道で展開もちと駆け足気味。
当然ながら声もないし、立ち絵やCG枚数も少ないです。
ただ、ゲームとして評価した場合、大きな不満はなかったりします。

今作は公式のあらすじからある程度その先が容易に連想されるとおり
ストーリーの根本は王道的な感じの、悪く言えばありきたりな奇跡話だと思います。
でもあまり奇をてらっていないよくある話だからこそ、比較的すんなり受け入れられるかと。
また重いテーマを題材にしているにも関わらず、
全体的にギャクやパロディを取り入れてコミカル分が多めなのは好感が持てます。
個人的にキレるとなぜか突然関西弁になるナギがツボ。
ただ、当然ながら問題もあって所々なんかギャグが滑っているところがあったり、
主人公・ヒロインともに短絡的に死を選ぼうとしていたり、
ぴあのの台詞語尾の「たん」はちと無理矢理な部分に違和感も少し。
(もっとも、ぴあのの「たん」に関しては作品中、シュウが述べているとおり、
 最近の萌え風潮に対するアンチテーゼだとしたら認識を改める必要はありそうですが)
といっても、ラストはグッときますし、総合的にはストーリーはお気に入りです。
CGのほうはネットをみているとなぜか評判がいまいちパッとしませんが、
自分的には好みですし、数は少ないながらも質は高いという印象なので無問題。

この作品のメインとなる歌曲にについても
5曲と少ないながらもしっとりした歌からポップで明るい歌、
リズム感のある歌など色んなジャンルが用意されており、
出来も過去の工画堂作品と比べても遜色ない出来栄え。
ミュージックパート自体は苦手なので、そんなにやりこんでないのですが
難易度的には一部を除いてノーマルレベルなら
ヘタレにもクリアできる程度に難易度は抑えてあるようです。
興味がなければ自動演奏で飛ばすことも可能なので、
純粋にストーリーだけを楽しむことができるのは嬉しいところ。
また、個人的には高コスト化や容量肥大化の一因となっている
音声ありのゲームに好感をもっていないため、
例え容量削減という観点で必要に迫られ仕方なくだとしても、
ばっさり音声を切り落としたところは評価したいです。

最後の総評を。
一通りプレイしての感想は「いろんな意味でもったいない」の一言に尽きます。
ストーリーは短く、ありふれた奇跡ネタではあるものの、ピリっと小粒が効いた内容であり、
CG、歌曲も過去の工画堂作品と比べて遜色ない出来栄えだと思います。
ただ如何せん、コストパフォーマンスが悪すぎるのが難点。
今時6800円も出して容量90Mではほとんどのユーザーが納得しないのではないかと思います。
ゲーム内容自体は私は評価したいですが、
様々な要因(主に外観と値段と容量)により世間的に評価されずに埋もれていきそうな気配がひしひしと。
たぶん工画堂もネタ目的だろうし、これで儲けようとは思ってないだろうけど、
もしこれが羊の方舟みたいに普通にCDで2000円ぐらいで販売されたなら
もっと評価されていたのではないかと思うと少々残念です。
ネタに走るのは大いに結構ですが、それならそれでせめて同時に
CD版やDL版を発売するなど、もう少し一般寄りのユーザーに配慮してほしかったです。

販売形態やシステム構成の甘さ等々なんらかの要因により
CGやシナリオなど素材のよさを殺すことにかけては定評のあるくろねこさんちーむですが、
やはりというか今作でもそれが遺憾なく発揮された感があります。
とりあえず今回の販売形態を思いついた責任者はハラキリの方向でお願いします。

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